職業性ストレスモデル
メンタルヘルス・マネジメント検定のテキストを読んでいるとき、ふと一つの言葉に目が留まりました
それは、「ストレスモデル」という言葉です
で、ちょっとその言葉の意味をネットで調べてみました
「職場において、何がストレスを高めメンタルヘルスを悪化させるのか、逆にきつい仕事でも生き生きと働ける条件とは何かをモデル化したものがストレスモデルである。」
(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
・・・だそうです。
この「ストレスモデル」は様々なものが提唱されているんだそうですが、メンタルヘルス・マネジメント検定のテキストで自分の目に留まったストレスモデルの内容は、その中の一つである「JDC(仕事の要求度・コントロール)モデル」に該当するようでした
JDCモデル(Job Demands Control Model)とは?
・・・「仕事の要求度」と「仕事のコントロール」の2要因から構成されるストレスモデル
【要因1】 仕事の要求度(Job Demands)
・・・中心的な位置を占めるのは「仕事の量的負荷(多忙さや時間的切迫感)」
【要因2】 コントロール(Control)
・・・「仕事上の裁量権や自由度」
このストレスモデルでは、例えば以下のような状況が重なった場合を「高ストレイン群(high strain)」と呼び、心身のストレス反応のリスクが高いとされています
【状況1】 仕事の量が多く、常に多忙感・時間的切迫感を抱えている
【状況2】 疲れたときに仕事のスピードを下げたり、休憩したりすることができない
これは実証研究により裏付けされており、JDCモデルに基づいて実施された15の研究のうち13においてJDCモデルが心血管障害と有意に関係していることが確認されているんだそうです
また、心血管障害の危険因子(血圧、喫煙など)とも関連することが報告されておるようです
「血圧の上昇」とか「喫煙量の増加」は、典型的なストレス反応ですね
逆に仕事の要求度が高くても、「仕事上の裁量権や自由度」が与えられていれば、生産性、職場での満足感ともに高まり、メンタルヘルス増進に寄与するんだとか
JDCモデルを発展させたDCSモデル(Demand-control-support Model)(またはJDCSモデル:Job Demand-control-support Model)では、3つめの要因として「社会的支援(Support)」、すなわち「上司や同僚のサポート」を加えています
DCSモデルでは、以下の状況が重なった場合が最もストレスや健康障害が発生しやすくなるとされています
【状況1】 仕事の量が多く、常に多忙感・時間的切迫感を抱えている
【状況2】 疲れたときに仕事のスピードを下げたり、休憩したりすることができない
【状況3】 上司や同僚の助けが得られない
このDCSモデルも実証研究が行われていて、特に虚血性心疾患の有病率および死亡率が高いことが報告されています
では、何故この「ストレスモデル」という言葉が自分の目に留まったかというと・・・
自分が、まさに、このDSCモデルで定義されている「最悪の状態」にハメられた経験があったからです
次回は、その実体験について書きたいと思います
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