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学習性無力感

リワーク・プログラム参加中に書いた文章です

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学習性無力感

このような文章を書く機会を与えられたとき、一番最初に書くことは決まっていました。
このタイトルである「学習性無力感」について、です。

学習性無力感については、リワークプログラムの中で学習したものではありません。
自分で「何故うつが再発するのか?」をあれこれ考えているうちに、
自力でたどり着いた「ひとつの回答」です。

まず「学習性無力感とは何か?」ですが、「長期にわたってストレスの回避困難な環境に
置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象」のことを
言います。

この現象の発生プロセスを実際の仕事の現場に当てはめると、だいたい以下のような感じです。

あなたは部署異動で、これまでとは全く違う業務を任されることになりました。
あなたは懸命にその業務に取り組むのですが、何故か全く成果を出すことが出来ません。
週に一度の上長への進捗報告では、最初は「仕方ない」と言ってくれていた上長も、
いつまで経っても成果を出すことの出来ないあなたへの不満が募り、だんだんと
「いつになったら成果が出せるようになるんだ!?」と叱責するようになってきました。

あなたは必死で成果を出せる方法を考えてそれを実行するのですが、どれも成果には
繋がりませんでした。進捗報告では、上長の叱責を叱責を受けるばかりです。

このような「対策を打てども打てども状況が改善せず、上長の叱責を受け続ける」状況下に
あなたが置かれた時、あなたの身体にどんな変化が起こるのか?

この時、あなたの中で「全ての努力は無駄である」という認知が形成されてしまうのです。
このような認知が形成されてしまうと、成果の出せない業務に取り組むことが出来なくなるばかりか、
それ以外の「簡単に解決可能である小さな問題」に対しても行動が起こせないという状況に
陥ってしまうのです。

さて、この「学習性無力感」ですが、一つの大きなポイントがあります。
それは、「学習性無力感は病気ではなく現象である」ということです。
その理由は、「全ての努力は無駄」という認知が成立した人間には漏れなく発生する、
もっと言うと人間以外の犬、猫、マウス、果ては魚でも発生することが確認されている
「生き物として当然の反応であるからです。

つまり、「メンタルの弱い奴がうつになった」とは全く違う話なのです。

うつで休職した人が復職してきたときに、会社側から「苦しくなる前に誰かに相談しろ」と
言われることがあります。
しかし、「学習性無力感に陥ってしまった人が誰かに相談する」と言うことは実際に
可能なのでしょうか?
恐らく、「相談しても無駄」と考えるでしょう。何せ「全ての努力は無駄」と言う認知に
支配されているんですから。

そして「学習性無力感」という名の現象は、憂鬱感や不安感が長期間継続する「うつ病」のトリガーを
いとも簡単に引いてしまうのです。

「人間一人のメンタルを破壊する」って、実はすごく簡単にできることなんです。

 

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