「学習性無力感」または「職業性ストレスモデル」の実体験
リワーク中に書いた文章です
当時は「学習性無力感」に焦点を当てた書き方をしています
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以前私が休職から復帰したとき、とある部署に配属されました。
そこで私に与えられた業務は、製造現場から持ち込まれたサンプルが定められた規格内に収まっているかを検査するというものでした。
会社の判断としては、恐らく「この業務なら誰でも出来るだろう」というのがあったのだと思います。
復職直後の私は、なんとか会社に貢献しようと一生懸命検査業務を行なっていました。
でも、すぐにボロが出てきました。
検査の処理速度が他の人と比べて、圧倒的に遅いのです。
最初は「不慣れだから」と何も言われませんでしたが、検査に滞りが出始めると、度々「遅い」と叱責を受けることが多くなってきました。
私は処理の遅さをなんとかしようと、必死でスピードを上げて検査を行いました。
しかし、それでもやはりボロが出ました。
今度は検査のミスが多発してしまったのです。
改善する努力をしてはみたものの、結局叱責を受け続けるという状態からは抜け出すことが出来ませんでした。
その後は「遅い」と「ミスが多い」の両方を行き来しながら叱責を受け続ける日々が続きました。
とりあえず私は、叱責を受け続けながらも「そこそこの速度」と「そこそこの精度」が両立する妥協点を見つけて、そのペースで検査を行いました。
でも、やっぱり処理速度が遅いことに変わりはありませんでした。
休憩をとる時間はもちろん、トイレに行く時間すら捻出できない状態でした。
ただただ、尿意をこらえて検査を続けました。
そこでまず私が行なったのは、業務の一環である「清掃」の時間の放棄でした。
そうしないと昼一で検査結果を聞きに来る製造現場の人に対応することが出来なかったからです。
その次に私が行なったのは、「昼休み」の放棄でした。
昼一で検査ができるよう、昼休み中にサンプルの検査条件を調べていました。
結局それでも、検査の滞りを解消することはできませんでした。
この頃から、私は次第に無力感に襲われるようになりました。
「俺には昼飯を食う資格も無いのか・・・」と考え出し、12時のチャイムが鳴っても検査を続けていました。
そんな日々を送っているうちに、異変は起こりました。
尿意を延々と我慢して検査をしていたとき、一瞬のスキを突いてトイレに駆け込みました。
出てきたのは、血尿でした。
この瞬間、私の心は完全に折れました。
今となっては病院で受けた心理検査(WAIS-III)の結果が示す通り、自分の脳の処理速度が遅いという特性が原因であったことが分かってはいますが、当時はそんなことを知る由もなく、どうしていいのか見当も付かず、ただオロオロするだけでした。
当時の復職の前に心理検査を受けて、原因が「脳の処理速度の遅さ」と明らかになっていれば、例え脳の処理速度の上げようはなくても、それを埋め合わせることに焦点を絞って対策を立てたり工夫をしたりできていたかもしれません。
そして、再休職することもなかったかもしれません。
でもまあ、済んだことです。
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